美味礼賛編

    
    酔いました(*^・^*)

    サンルイ島に戻る
     そろそろ夕刻となり、影も長くなってきました。
     食いしん坊の私は晩御飯の心配をする時間です。
     足が痛くてもう歩けないので、とりあえず部屋に戻りたいのですが
     メトロやバスの路線を調べるとどうしても乗換えが必要です。
      (バスはフランス語ではアウトブスって言うんですよ)
     足の痛い私はメトロの乗換えでたくさん歩くのが嫌なので
     バスに乗ることにしたのですが、直接サンルイ島に向かう路線は
     オペラ地区からすこしずれて走っています。
     バス停までメトロ一駅分歩かなければなりません。
     そこで歩きました。
     今から思うと、足が痛いのになぜ歩いたのか不思議でなりません。
     ともかくオペラ座の前から
     イタリアン大通りをテクテク、いえのんびり歩きました。
     そうするとお店の前で牡蠣をさばいているレストランが何軒かありました。
     時はまさしく秋です。
     牡蠣は「R」のつく季節に食べよ、という言葉を思い出しました。
     生牡蠣は大好きです。
     フランスで牡蠣なんていいですよね。
     晩御飯に戻ってくることにしました。

    マダムの楽しみ晩御飯
     結局メトロでポンマリー駅に戻り、部屋で一時間ほど寝ました。
     その後、シャワーを浴びました。
     浴室の上方にポリバケツみたいなタンクがあり、
     そこに溜まったお湯しか使えないので一人が使うと
     次の人はお湯が溜まるまで待たなくてはなりません。
     私は一人なので問題ないですが、
     それでも途中でお湯が出なくなったらと心配しながらのシャワーでした。
     フランスの古い建物って情緒があっていいですが、
     設備が古いのは割り切らないといけません。
     そしてメイクをやり直しました。
     夜のお出かけなのでいつもより濃い目に仕上げます。
     メイクをやり直すと気分が弾むのはなぜでしょう。
     そして晩御飯にお出かけです。
     服装は昼間と同じですが、ブーツはヒールが高いのでやめて
     黒のローヒールにしました。
     やや痛いような気がしますが、雲泥の差です。
     普通に歩ける幸せをかみ締めます。
    
    
    メトロを待ちながら 楽になりました

    アルザス料理店
     メトロのオペラ駅で降り歩きます。
     ライトアップされたオペラ座は息を飲む美しさでした。
     凛々しいです。かっこいいですよね。
     このあたりはレストランが多くあります。
     私が入ったお店は先に見て感じがよさそうだと思ったお店です。
     ネットで調べたところありました。
     「La TAVERNE」でした。 「タバーン」と読むようです。
     http://www.taverne.com/index.php
     なんてわかりやすい名前なんでしょう。
     アルザス料理のお店のようです。
     だけどアルザスってフランスとドイツの間の地域ですよね。
     第一次世界大戦でドイツが負けたためにアルザス・ロレーヌ地方を
     フランスに割譲したんだったと思うんです。
     「最後の授業」の舞台ですよね。
     位置的にはスイスの上だから全くの内陸にあったと思うんです。
     海はないんでは。。。牡蠣は取れないんでは。。。
     それでも生牡蠣が売りのようで、表通りに面した厨房で
     生牡蠣の下ごしらえをしていましたよ。

     オペラ座

    お席にご案内
     お店はちょうど満席で私の前にも3,4組待っていました。
     入り口のところで切れ者お姉さんがリストを作っていたので
     しっかり「松本葉子」で予約しました。
     私の一組前が日本人のカップル(夫婦?)で
     予約をしていたのに待たされていると女の人が文句を言っているのですが、
     日本語を理解する人がいないだろうと思って、強い口調です。
     日本語がわかる欧米人って、意外なところにいるので
     気をつけたほうがいいのになあと心配になりました。
     待つこと数分で私はすぐに呼ばれました。
     一人なのがよかったようです。
     つきがあります。幸先がよいと言いましょうか。
     切れ者お姉さんの先導についていったのですが、
     お姉さんのミニスカートから出ている脚のきれいさにびっくりです。
     タイツをはいていたのですが、立ち仕事なのに高いヒールで
     混雑する店内をまさしく闊歩しています。
     お姉さんの美脚にあこがれましたが、DNAから違うのでしょうね。
     案内された席は一番奥で中2階になったスペースの壁際でした。
     二重窓になっていますが、寒いです。
     昨日も寒かったので、風邪が心配ですが
     気を使わなくてすむので私にはいいかなと思いました。

    
    生演奏が素敵でした

    海の幸の盛り合わせ
     生牡蠣を食べようというのは決めていましたが、
     それでも量によっていろいろなコースがあります。
     私が選んだのはこのコースです。
     « Fruits de Mer »
      .
3 Creuses N°3, 3 Plates du Belon N°3, 3 Fines de Claires de Marennes N°3,
       4 Moules d'Espagne, 4 Amandes, 2 Palourdes, 1 Clam, Bulots, Vignots,
       Crevettes Grises, Crevettes Roses.
      それとハーフサイズの白ワインを注文しました。
     料理が出てくるまでお店の中を観察していました。
     隣はテーブルをくっつけて大家族が歓談していました。
     ただしもう食事は終わったようで、デザートが運ばれてきました。
     私は勝手にギリシャからと決め付けていましたが、
     このギリシャ人家族は和気藹々としていて、
     食事を楽しんでいるのがわかります。
     ヨーロッパでは家族の絆を大切にしているのがわかります。
     なんかいい感じです。
     しかし一通り周囲を見た後はすることがないので
     化粧室に行ってメイクなおしをしました。
     店内の内装に負けず豪華なつくりです。
     ふんふんと鏡をのぞいていると、ドアが開き
     切れ者お姉さんが勢いよく入ってきました。
     このときは本当にびっくりしました。
     しかもお姉さんは私を見つけると
     「マダム!」と呼びかけるや、早口の英語で滔々とまくし立てられました。
     あまりの早口のこともあり、すべてが聞き取れたわけではありませんが、
     「テーブルを替わって欲しい」
 とのことです。
     私がOKを出すと、「Follow me.」とずんずん歩いていきます。
     あわてて後を追ったところ、先ほどと同じ中2階で真ん中付近に移されました。
     
    
    もう一度食べたいです

    酔いました
     結果としてはこの席はとてもよかったです。
     店内ではこの中2階が最上階で、地上階・地下1階があります。
     新しい席からは店内を見晴らすことができました。
     下の階で飲食するお客さんや忙しく配膳しているスタッフを
     眺めることができました。
     一人ご飯だと、どうしても手持ち無沙汰で店内を眺めるくらいしか
     楽しみがないので、うれしかったです。
     料理が届きました。
     牡蠣に小エビに貝。そしてワインが運ばれてきます。
     深皿に氷を敷き、その上に載せられていて、絢爛豪華に見えました。
     小さなテーブルの真ん中にドンと占める存在感!
     ワインを飲みながらいただきましたが、本当においしいです。
     店内ではピアノの生演奏が行われていて
     シャンソンが流れています。
     曲が終わるごとの拍手に私も参加しちゃいました(^ー^)
     観光客向けかもしれませんが、それでもパリ気分が盛り上がります。
     曲に合わせて体もゆれて、パリの夜を堪能です。
     この時、私って幸せだなあって思いました。
     女の子でパリに来ておいしいもの食べて。。。
     パリに酔いしれました。

      100面相シリーズの1枚です   

     食事の楽しみ
     酔いながら写真を撮っていました。
     そのときの写真を見ると、百面相のようにいろいろな顔を作っています。
     酔って一人でふざけているのですね。
     店内を見下ろすと給仕をするギャルソンが何人かいますが、
     ちょうど私の席の真下辺りを担当しているのがアジア系の男性でした。
     顔つきから勝手に日本人と判断してなんとはなしに見ていたのですが、
     本当に忙しいお仕事です。
     プロとしての矜持もお持ちだろうと思いました。
     フランス料理って、料理以外の給仕なども含めて、トータルの演出を
     大切にして、料理文化を魅力的にしていると改めて思いました。
     お客さんも楽しみ上手ですしね。
     おいしい料理を食べ終えた頃にはお腹一杯です。
     生牡蠣と生演奏と店のざわめきがワインの肴です。
     楽しくてたまらない私はデザートとコーヒーを追加しました。 
     こちらもおいしかったです。
     今回の旅行では、この食事が一番楽しかったかな。
     大成功の夜でした。
     
     
    デザートのアイスクリームもお酒が効いていました

    戻る    旅行記トップへ    次へ      
 

inserted by FC2 system