中世に想いを馳せて編

    
    秋ですが寒かったです

     ルーブルでショコラ
     歩いてきた私は体がすっかり冷えてしまったので、
     先にお茶することにしました。
     ただ、カフェは私が行ったときにちょうど満席になってしまって
     待たなければなりません。私が先頭ですけど。
     すると、私の後に四人組が来て、
     セルフサービスと間違えておしゃべりしながら
     テーブルへずんずんと進んでいきます。
     「あ〜あ、横入りされちゃった」と残念に思いましたが
     急いでいないので「まあ、いいかな」って気持ちを立て直しました。
     そのときです。
     ギャルソンさんが四人組を止めて、私が先だと説明しています。
     そして私を呼びに来てくれました。
     一連の動作が優雅で格好よかったんです。
     マダム扱いしていただいたこともあって、とってもうれしかったですね。
     そしてここでもショコラとレモンタルトをいただいたのですが、おいしかったです。
     写真のタルトに"citron"ってあるのは、レモンの意味です。

     おいしかったです(o^∇^o)

     中世に想いを馳せて
     その後は絵画を見て回りました。
     ルーブルに来たのは5度目になります。
     二日前にも来たばかりなのですが、
     今回も同じ絵画を中心に見て回りました。
     好きな絵は何度見ても好きなのです。
     メムリンクの部屋ではベンチに腰掛けて
     まったり鑑賞しました。
     メムリンクはドイツで生まれた後、ベルギーのブルージュで活動した画家です。
     ブルージュは当時は羊毛などの貿易で大いに栄えていたそうです。
     それがあるときから急にダメになり、
     商人たちもアントワープなどに移ってしまいました。
     その後、長い間停滞の時期が続いたのですが、
     現在ではそのために中世の町並みが残るとても素敵な町になっています。
     縦横に運河が張り巡らされていて、
     観光客はボートに乗って遊覧できます。
     運河に面した家の壁面に蔦が絡まっていた光景を思いだしながら
     メムリンクの絵を見ていると、中世にいるかのような気持ちになりました。
     時間の流れがとても遅く感じられます。
     この旅行はパリで中世を感じることが小目的でした。
     初日はシテ島に残る中世の路地を訪れたことは、
     旅行記に書きましたよね。
     心残りは「クリュニー中世美術館」に行かなかったことです。
     次回があれば行きたいなって思っています。

    
    メムリンクと 職員さんに撮ってもらいました

    模写する人
     この日は土曜日でした。
     そのためでしょうか、イーゼルを立てて模写している人たちがたくさんいます。
     観光客も名画の途中で、ひょいと筆を加えている途中のキャンパスを覗いていました。
     描いている人は落ち着かないんではって思ったのですが、
     慣れているのか、「関係ないよ」という顔で絵筆を動かしていました。
     みなさん自信に満ち溢れているように思えて、素敵でした。
     館内マップにも「模写」する人用の受付事項が載っていて
     「芸術の都パリ」って本当だなって感心します。

    
    渋かっこいいですよね

    中世イタリア絵画
     私が気になるのはスペイン絵画ですが、
     今回もじっくり鑑賞しました。
     スペイン絵画の部屋でベンチに腰掛けていると
     「幸せだなあ」ってじわっと来るものがあります。
     ただせっかくなので、今回はその他の絵画にも時間を振り分けました。
     イタリア絵画・・・この1、2年心が惹かれるジャンルです。
     なかでも私は中世のイタリア絵画が気になります。
     いえ、イタリアに限定しなくてもいいのですが、
     中世は圧倒的にイタリアがヨーロッパ文化の中心だったので
     自然にイタリア絵画になるだけなんですけど。
     ルネサンスが「人間復興」と訳されることがあるように
     人間の肉体美が強調される時代ですが、
     それ以前の中世絵画は人間が「かわいらしい」んです。
     下の写真はキリストの復活の場面だと思うのですが
     (間違っていたらごめんなさい)
     表情はトホホだし、身体も貧相ですよね。
     だけどそのために親近感が湧くのは私だけでしょうか?
     中世の「普通の」人々が
     日曜日の教会でこういった絵を通じて
     キリストを身近に感じたんだろうなって思うんですが、
     私の勘違いでしょうか?
     残念ながら中世絵画の展覧会は
     日本では開かれる機会があまりなく
     ヨーロッパに行った機会を活かさなくてはなりません。
     もっと日本でもこういった絵の人気が出てくるとうれしいんですけど。
     
     
     傷口が生々しいです

     美術館に行きましょう
      私は絵を見るのが好きで
      ヨーロッパを旅行すると、現地の美術館に行くことを中心に
      予定を組みます。
      私よりずっとたくさん行かれている人はたくさんいるので
      そんな私が美術について語るのはおこがましいんですが
      ぜひ海外に旅行に行かれたら、現地の美術館博物館に足を運んでください。
      私も最初は「観光地」として美術館に行ったのですが、
      ビビッと電流が背中を走って、
      「美術館って楽しい」ことを知りました。
      ルーブルではこの後も絵画を中心に見て回りました。
      本当は工芸品なども見たかったのですが、
      足が痛くて余裕がなかったのが残念です。
      

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